2011年7月26日火曜日

北京は「ペキン?」「ベイジン?」、ソウルは「漢城?」「首爾?」

 
上の写真は関西空港で北京行きのCA928便のハングル表記です。今日は「北京」の呼び方についての話題です。
 
 北京を中国語でローマ字表記のピンイン式で表すと Beijing です。英語やフランス語でも「Peking」と「Beijing」が混在していましたが、1990年代に中国政府から各国に統一の要請が出され、空港やローマ字言語のマスコミでは、Beijing を使うようになりました。
 
 日本では「ペキン」と呼んでいますが、これは18世紀、イギリスやフランスが市場と植民地を求めて、中国に進出したとき、上海近郊の現地音によって「Peking」、「Pékin」と表記したことに由来するそうです。長崎のオランダ人などによって幕末の日本にも伝えられ、日本でも北京をペキンと読むようになりました。
 
 ところで、韓国では北京を漢字の韓国語読みで「북경(プッキョン)」と呼んでいましたが、最近中国語の発音に合わせて「베이징(ベイジン)」と呼ぶようになりました。反対に2005年1月19日、ソウル市の李明博市長は「ソウル」の中国語表記をこれまでの「漢城(ハンチョン)」から、現地語の発音に近い「首爾(ショウアール)」に変更することを発表しました。
 
 日本と中国との間では、「お互いの国の読みでOK」という約束があります。なので、中国語で東京は「Dongjing(ドンジン)」になり、日本語で北京は「ペキン」になります。また、日本と韓国の間では、「自分の国の読みで読もう」という約束なので、日本語で釜山は「プサン」、韓国語で北海道は「ホッカイド(홋카이도)」になっています。
 
 首都の名前すらも外国語になるとややこしいもんですね。